1. HOME
  2. ブログ
  3. 議会
  4. 総務企画消防委員会先進地視察報告(豊田市、浜松市、小山町)

大塚正俊ブログ

BLOG

議会

総務企画消防委員会先進地視察報告(豊田市、浜松市、小山町)

7月12日から14日の3日間、総務企画消防委員会で先進地(豊田市、浜松市、小山町)の視察を行いました。

先進地視察で得られた情報をもとに、中津市として取り組むべき方策等について報告します。

1.愛知県豊田市(7/12)
①テーマ;消防団員確保に向けた取り組みについて
 豊田市では、消防団協力事業所表示制度を導入し38事業所(建設業者が約90%を占める)が認定されています。優遇措置として「市の入札における加点、消火器1本無償貸与」の制度があり、消防団員確保には有効であると考えます。
また、消防団の事業活動を円滑に進められるように運営交付金を支給しています。具体的には、分団等運営費(団員数×12,000円/年)、活動費、詰所・格納庫管理費(18,000円/年・台)、ポンプ設備管理費(22,000円/年・台)となっており、中津市においても分団の活動を支援するための運営交付金の支給を検討する必要があると考えます。
また、令和4年度より災害活動時自動車保険(消防団員が災害・警戒活動のために自家用車を使用している間に発生する自動車事故を保証する保険)の加入を進めており、中津市においても検討をすべきと考えます。

②テーマ;地域公共交通会議の運営状況について
地域タクシーのサムネイル 豊田市では、民間路線バスの他、市によるコミュニティーバス、デマンドタクシー、地域タクシーを運行しています。民間バスルートとコミュニティーバスルートが競合している路線については民間バス料金を適用するなど、民業を圧迫しない手だてを講じた上で、利用者の利便性向上を図っています。中津市は「路線バスルートと重複するルートはできない。」ではなく、民間事業者と交通会議で調整をすべきと考えます。
旧町村エリアではデマンドタクシーをコミュニティーバスや路線バスと連携させて運用しており、中津市でも国道212号線を走る路線バスとデマンドタクシーを連携させることで市民の足を確保することが可能と考えます。
さらに、水源東エリアではコミュニティーバス(100から200円/回)を廃止し、地域タクシー(個人負担上限300円/回、原則中学校区内、最大5㎞程度、買物や病院など行き先を限定)を運行したことにより、市の負担金が5,922千円から402千円に減額(削減額5,520千円)できた実績もあり、デマンドタクシーではなく地域タクシーも視野に入れた検討を行う必要もあります。特に、旧中津エリアでは効果を発揮することが期待されます。なお、地域タクシーの個人負担の上限設定では所得制限等は設けていないとのことです。

2.静岡県浜松市
①テーマ:遊休公共施設の活用について
浜松市では、公共施設や土地を資産と位置づけ、有効な資産運用を行うという立場で事業展開しています。担当課もアセットマネジメント課という名称で、各課の保有する資産活用の総合調整を行っており、中津市においてもこの視点が必要です。
遊休土地の鑑定評価額は、実勢価格を反映した額という立場で、鑑定額によって土地の売却を行っているとのことですが、買主との金額が折り合わないため売れずに困っている土地も沢山あるとのことです。鑑定評価額と実勢価格の差を埋める手立てがないのが実情です。
遊休財産の処分の実績として、令和2年度には51件(20,221㎡、715,479千円)の実績があり、資金運用基金に積み立てをしています。市有地の売却事務について包括的な委託を実施することにより契約件数が増加し、効率的な事務の執行が可能となったとのことであり、包括委託も検討する必要があります。
中山間地域にある遊休公共施設は、用地だけではなかなか売れないのが現状で、廃校など建物が付帯している物件は、民間への貸付け等を推進している。条件がそろえば無償での貸し付けも可能であり、旧給食センターを利用した「アワビの養殖」や廃校跡を利用した「チョウザメの養殖」などに利活用されており、中津市においても検討の余地はあると考えます。
また、公共施設管理計画・個別計画の進行管理として、毎年度「浜松市の資産のすがた」を作成し、議会や市民に公表を行っています。計画を作って終わりではなく、しっかりとした進行管理が必要と考えます。

3.静岡県駿東郡小山町
①テーマ:和田豊治氏の顕彰について
 小山町政の発展は、和田豊治翁による富士紡製の再興によるといっても過言ではありませんが、その顕彰の取り組みには特質すべき点があります。中津市における福澤諭吉翁に匹敵する人物でもありますが、中津市では和田豊治翁顕彰の取り組みが皆無で、第2の渋沢栄一ともいわれる経済人の功績を市民にもっと知ってもらう必要があります。
そのためにも、小幡記念図書館や歴史博物館に和田豊治翁の特設コーナーを設けて、市民や子ども達に学習の機会を提供する必要があります。
さらに、富士紡績中津工場と小山工場とのつながりや和田豊治翁をこよなく愛する小山町と生誕の地とのご縁を生かして、友好都市盟約の締結を検討する必要があります。

4.視察を終えて
総務企画消防委員会として今回の視察を市政に活かすために、4つのテーマについて事務調査を行い、委員会としての政策提言につなげていく必要があると考えます。
具体的には、委員が作成した行政報告をテーマごとに一覧にして、中津市としてどのように取り組むべきかを自由討議し、意見の一致を見た項目について執行部と協議してはどうかと考えます。最終的には、委員会の決議・要望・意見としてまとめることができれば、視察の効果が発揮できると考えます。

関連記事