佐伯市エコセンター番匠現地調査(ごみ発電)
8月2日、会派のメンバー4人で、佐伯市エコセンター番匠の現地調査(ごみ発電)に行ってきました。佐伯市のごみ発電の仕組みや費用対効果、容器包装・その他プラスチックの資源化等の取り組みについて調査を行いました。
佐伯市では、清掃工場のゼロエミッションに取り組み、あらゆる廃棄物を原材料などとして有効活用することにより、廃棄物を一切出さない資源循環型の社会システムの構築を目指しています。
佐伯市エコセンター番匠では、コークスを補助燃料として、約1600℃の高温でごみを一気にガス化・溶融して無公害・再資源化が可能なスラグとメタルに変えます。
スラグとメタルは、JFEエンジニアリング㈱に売却し、アスファルト等に混入し再利用をしています。
また、ごみを高温ガス化溶融することで有害物質の発生を防ぎます。
また、約850℃の排ガスを利用し、約300℃の蒸気でタービン発電を実施しています。
中津市クリープラザ(150t/日)程度の中小規模の焼却炉によるごみ発電は、費用対効果が低いため、国内の導入実績は低い状況にあります。
しかし、佐伯市のように施設内で使用する75%の電力を賄い、約1億7000万円の電気料金削減効果があり、338万円の売電収入が得られることは、ごみ発電には大きなポテンシャルがあること証明しています。
発電設備の建設費は分からないとのことでしたが、清掃工場全体の建設費用を見れば、電気料金の削減効果ですぐに回収されることが推測されます。
今後のゴミ焼却施設の建設にあたっては、ごみ発電をセットに検討する必要があります。
中津市の焼却炉もプラスチックごみを分別回収することで炉内温度が低下し、補助燃料(重油)の使用量が増えることでCO2の発生量が増えるのではと議会で指摘しました。もうしばらく状況を見る必要がありますが、サーマルリサイクルではどんな処理方法がCO2を削減するのかをライフサイクルに係るすべてのプロセスを含むトータルシステムで検証する必要があります。
また、容器包装プラスチック、その他のプラスチックの分別収集について、分別回収されたプラスチックの安定的なマテリアルリサイクルやケミカルリサイクルの処理を見極めた上で、実施を検討するとのことでした。国の動向に振り回されることなく、焼却施設の特性や能力、ゴミ発電によるサーマルリサイクルの実態、費用対効果、地球温暖化等の環境への影響等を総合的に評価・分析し、多種多様な資源ごみ回収の是非を判断すべきと考えます。
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